a small house
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設計者の自邸である。 郊外の高台にある眺望の良い200平米の敷地。周辺は最低分譲面積が決められており、50年前に分譲されて以来良好な住宅地環境を保っているが、近年は駅からの距離と広い面積がネックになり空き家や空き地が目立つようになってきた。 そこまで大きな家が必要ではない働き盛りの若い世代にとっては、嫌厭されがちな住宅地なのだろう。 私も例に漏れず求めていたのは「小さな家」。広い敷地の特性を生かし、南北に大きな余剰を残して細長いプランの建物を配置することで、1階が庭の一部になるような、外部への連続性を持たせたいと考えた。 プランは点対称とし、切妻屋根の棟を南北の中心としたことで、 敷地の中心に求心性を持たせ、南北の裏表がなく、それぞれの庭が等価になるようにした。 2階はプライベートで機能的な居住性を重視しつつも、吹き抜け越しに望める1階の大窓から、庭を感じることができる。 これまで都心に重心をおいた、駅近の生活が好まれてきたが、この住宅が竣工した2020年から人々が求める住環境が変わろうとしてきている。 郊外に建つ住宅の一つのあり方を、この住宅で体現したいと考えている。