konan ward synthesis government building

                                                 
*小泉アトリエの担当物件(安藤)

 区役所と福祉保健センター、消防署が合築した複合建築の総合庁舎である。周辺には地下鉄駅や公園、福祉施設といった公的施設が集中しており、公園へのアクセスとなる遊歩道の確保、地下鉄湧水の熱源利用など、周辺施設との連携を図っていく役割を担っている。
 敷地は幹線道路から住宅地側に一本入ったところにあり、周辺には中~低層の建物が立ち並んでいる。プログラム上必要とされる巨大な建築ヴォリュームが周囲に圧迫感を与えないように、隣接建物と高さを揃えた中間レベルの大庇によって上下に分節化し、さらに中央部のテラスで水平方向にも分節化し、スケールダウンをはかっている。外壁には、方位や隣接建物に応じて、ライトシェルフや日射遮蔽ルーバー、目隠しスクリーンといったアタッチメントが取り付けられ、面ごとに彫りの深い表情を生み出している。
 強引にシンボリックなかたちを与えるのではなく、また諸機能を無理矢理プレーンな表情の中に押し込めるのでもなく、複合建築そのままの多様性を活かし、方位に即した表情とすることで、周辺の風景となじむ建築とすることを目指した。

用途:区役所・消防署・保健センター
所在地:神奈川県横浜市 
竣工:2017年 
主要構造:地上 S造一部CFT造(免震構造) 地下 RC造

新建築 2017年5月号掲載 
建築技術2013年7月号掲載 
日経アーキテクチュア2017年4-27掲載 等